岩手県陸前高田市で東日本大震災の津波により一家6人全員が犠牲になった

親族は「知らない土地で、さぞかし寂しかっただろう。他にも遠隔地で安置されている遺体はあると思う。一周忌までに一人でも多く故郷に戻してあげたい」と話す。

菅野和敏さん(当時47歳)の長男祐也さん(同23歳)の遺体が昨年3月20日、妻ひろみさん(同49歳)は4月10日、和敏さんは5月の連休明けに見つかった。だが、あゆみさんと、同居していたひろみさんの父強平さん(震災時76歳)と母ミヨ子さん(同74歳)は行方不明のままだった。
15日朝、ひろみさんの妹で一家の身元引受人となっている村上まゆみさん(48)のもとにDNA鑑定の結果、身元不明の遺骨があゆみさん(当時21歳)のものと確認されたとの連絡が宮城県警から入った。

祖父母思いだったあゆみさんは、盛岡市の医療福祉専門学校を卒業後、震災の1年前に故郷に戻り、半身不随の強平さんと糖尿病を患うミヨ子さんを病院へ送り迎えしてきた。まゆみさんは「遠方の安置所にはなかなか足を運べず、すぐに見つけてあげられなかった。まだ行方不明の2人も、可愛がっていたあゆみちゃんに連れられて戻ってくるかもしれない」と期待を寄せる。

東日本大震災:長女遺骨、ようやく故郷に…6人犠牲の一家 2012年2月18日 毎日新聞